【共同研究】データ・エスノグラフィーによる生活者理解

研究概要

株式会社アイデアファンドは、株式会社インテージと共同研究を行い、文化人類学のフィールドワークを応用した新たな質的分析手法(データ・エスノグラフィー)を用いてビッグデータを分析し、未来の生活者像を明らかにした。

    ポイント

    「対面」を前提とせず、オンラインで完結できる手法として、「定量・行動ログデータ」と「エスノグラフィー」、「ワークショップ」を組み合わせ、インサイト発掘と生活者像の具体化を試みた。

    研究ステップ

    • ステップ1 対象者の絞り込み
      未来の生活者が持ちうる特性を仮定した上で、「定量調査」と「行動ログデータ」を組み合わせ、特徴的な対象者を抽出した。
    • ステップ2 データ・エスノグラフィー
      対象者の1年分の行動ログデータ(購買ログ、TV視聴ログ、PC・スマホ利用ログ)に対して、文化人類学者が1年間対象者と共に生活しながらその生活様式や価値観を紐解いていく通常のフィールドワークと同じ要領で、時系列に従い仮想的なフィールドワークを行い、特徴的な行動を抽出すると共に、生活スタイルや価値観を推察した。
    • ステップ3 ワークショップ
      データ・エスノグラフィーの結果をもとに、対象者の消費行動に現れる価値観や特徴についてのインサイト・アナリシスを実施。チーム全員で分析結果をダウンローディングした後、ワークショップを通じて、未来の生活者の特徴、価値観、消費行動を検討・構築した。

    データ・エスノグラフィー

    従来、文化人類学における質的データの収集は、現地でのフィールドワークにより行われていたため「同時性」・「同所性」が必要だった。
    一方、データ・エスノグラフィーにおいては、株式会社インテージの持つビッグデータを活用し、株式会社アイデアファンドが、消費者の膨大な行動ログをフィールドに見立てて、ビッグデータ上での人類学的フィールドワークを行ったため、「同時性」・「同所性」を超越し、過去にさかのぼって様々な調査を行うことが可能となった。

    データ・エスノグラフィーは、通常のフィールドワークに熟練した専門のリサーチャーだけにできるビッグデータに対する全く新しいアプローチであり、
     ・ビッグデータから新しいインサイトを得たい
     ・自社のデータをより有効に活用したい
     ・数学的・統計学的アプローチとは違う、直観的に理解できるアウトプットが欲しい
    といった場合に、有効な手法である。

    共同研究の成果については、国際大学GLOCOMの研究ワークショップ(GLOCOMワークショップ)において発表している。

    ideafundについて

    「アイデアで資本主義を面白く」をコーポレートミッションとして掲げる株式会社アイデアファンドでは、文化人類学をはじめとするプロフェッショナルが集い、行動観察調査を通じてインサイトの導出や新しいビジネスシーズの創出に取り組んでいます。

    代表取締役CEO:
    大川内 直子(おおかわち なおこ)
    会社設立:
    2018年1月4日
    事業内容:
    文化人類学を応用した行動観察調査・分析・エグゼキューション
    コーポレートサイト:
    https://ideafund.co.jp/

    本ケーススタディに関するお問い合わせ先
    info@ideafund.co.jp